自分が初めて診療看護師へ出会ったのは、2012年に米国で臨床研修をしている時でした。上級医と担当看護師の間を取り持ち、てきぱきと診療へ当たる姿は頼りない研修医にとって大きな羨望の眼差しでした。我が国にも診療看護師がいてくれれば、医療の質は格段に向上するに違いないと確信した瞬間でした。2015年に特定行為に係る看護師の研修制度が始まり、診療看護師の有難さを知る私は特定行為研修へ積極的に関わってきました。2021年に古巣の墨東病院へ復帰し、特定行為研修を続けたい思いを看護部へお伝えしたところ、全面的にバックアップして下さり2023年2月に特定行為研修指定研修機関へ認定されました。初年度は院内受講生7名で研修を開始しましたが、次年度以降は近隣施設からも受講生を受け入れる予定です。特定看護師には、地域医療構想で医療者の働き方改革や医療の質や医療安全の向上の面で大きな期待をしています。
センター長(集中治療科)牧野 淳