メッセージMESSAGE

今日の医療を取り巻く環境は不確実性が増し、新型コロナ対応、働き方改革など、過去の延長線上では対処できない課題が数多くなっています。これらを乗り切るための原動力は、「ヒト」にあります。人財開発と教育への投資を管理し、組織発展の資源とするため、私たちは「人財育成センター」を設立いたしました。職員のモチベーションをあげ、やりがいを持って働くことのできる職場を実現します。心理的安全性を担保し、個人と組織が連動した方向性を確立してまいります。

既に2023年2月には看護師特定行為研修指定研修機関の認定を受け、4月より特定看護師の養成を開始しました。今後は多職種連携による人財開発システムを構築し、地域で活躍できる医療人財の育成にも努めてまいります。

東京都立墨東病院長足立 健介

特定行為研修に期待すること

特定行為指定研修機関の認定を受け、令和6年度に当院での特定行為研修修了者第1期生が5名誕生します。すでに取得済みの特定看護師をあわせると総勢15名になります。
特定行為の実施は、患者さんへの処置・ケアがタイムリーに提供できるのはもちろんですが、臨床推論能力の高い看護師の実践で、安全かつ質の高いケアのさらなる充実が期待できます。

特定看護師になったみなさん、またこれから目指していこうと考えているみなさんには、以下のことを期待します。

  • 医師の働き方改革の一助としてのタスクシフトとともに、臨床現場で働く看護職員たちの知識や判断能力を高めてほしい。
  • 多職種カンファレンスでは、医学的知識に看護の視点を交えた特定看護師ならではの意見を積極的に提案し、活発なディスカッションと他の職種との連携推進のリーダーシップを取ってほしい。
  • 看護職員が、「憧れる存在」になってほしい。

それぞれの職場で、特定看護師の権限と責任を思う存分発揮できるよう、看護部としてもしっかりサポートしていきます。

東京都立墨東病院 副院長上野 真弓

自分が初めて診療看護師へ出会ったのは、2012年に米国で臨床研修をしている時でした。上級医と担当看護師の間を取り持ち、てきぱきと診療へ当たる姿は頼りない研修医にとって大きな羨望の眼差しでした。我が国にも診療看護師がいてくれれば、医療の質は格段に向上するに違いないと確信した瞬間でした。2015年に特定行為に係る看護師の研修制度が始まり、診療看護師の有難さを知る私は特定行為研修へ積極的に関わってきました。2021年に古巣の墨東病院へ復帰し、特定行為研修を続けたい思いを看護部へお伝えしたところ、全面的にバックアップして下さり2023年2月に特定行為研修指定研修機関へ認定されました。初年度は院内受講生7名で研修を開始しましたが、次年度以降は近隣施設からも受講生を受け入れる予定です。特定看護師には、地域医療構想で医療者の働き方改革や医療の質や医療安全の向上の面で大きな期待をしています。

センター長(集中治療科)牧野 淳

医学生の皆さんへ