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【ERインタビュー】墨東病院ERで築く、医師としての「確かな地盤」と「社会性」

2026.03.10

墨東病院の研修の柱であるER。
そこで日々研鑽を積む研修医と、彼らを見守る指導医に、病院の魅力や成長の秘訣について詳しく伺いました。

Q. 墨東病院を選んだ理由や魅力を教えてください。

研修医Y:初期研修の2年間で「まんべんなく診られる医師」になりたいと考え、その地盤を作るために当院を選びました。多彩な疾患を経験でき、かつ救急が強く、ERや救命センターで研修医がバリバリ活躍している姿が非常に魅力的でした。

研修医M 内科・外科のほぼ全てが揃っている点です。市中病院でありながら、救急から慢性期まで診られる体制が整っています。また、見学時に働かれている先生方が非常に教育熱心だったことも決め手になりました。

Q. 実際に入職して感じた、墨東病院の「強み」は何ですか?

研修医Y: 診療の「流れ」と「継続性」です。ERを入り口として自分が最初に診た患者さんを、その後各診療科に送った後も追いかけやすい環境があります。同期や一学年上の先輩が各科で受け入れているケースも多く、自分が受け持った患者さんが最終的にどうなったかをしっかり診て勉強できるのは、この病院の素晴らしい点だと思います。

研修医M: 「屋根瓦体制」が非常に機能している点です 。各診療科に先生が多く、上の先生には少し聞きにくいような病棟業務の困りごとでも、身近な先生に相談して助けてもらえる環境に救われています。

Q. ERにはどのような患者さんがいらっしゃいますか?

研修医Y: 地域柄、非常に多様な方が来院されるので、社会的な側面でも勉強になります。また、高度救命救急センターとの連携があるため、心停止の恐れがあるような、いわゆる「2.5次」に近い重症患者さんも運ばれてきます。常に緊張感を持ちながら診療に当たれるのが、このERの良さですね。


研修医M: 内科・外科を問わず、重症から軽症まで本当に様々です。徒歩で来られる「ウォークイン」の患者さんの中にも、実は入院が必要な重篤な症例が隠れていることもあり、肝を冷やすこともありますが、非常に学びの多い現場です。

Q. 指導医の先生から見たERの強みや推しを教えてください。

指導医O: 当院のERの最大の強みは、子供から大人まで、そして多彩な内科疾患から外科的な怪我まで、広い範囲を網羅して診られることです。また、ここは「社会の縮図」でもあります。様々な生活背景を持つ患者さんと接することで、医学的な知識だけでなく、現代社会が抱える問題点やその対応方法を学べる窓口になっているのも、研修において重要な経験になるはずです。

Q. ER研修で得られる知識や手技について教えてください。

研修医Y: ERは単に知識を吸収するだけでなく、あらかじめインプットしておいた知識を「実践する場」でもあります。実際に動くことで、自分に足りない医学的な部分を改めて再確認し、学び直すことができます。

研修医M: 目の前の人を助けるためにまず見るべき評価項目など、非常に基本的なことから学べます。また、手早く周囲と協力して行う手技など、病棟業務や将来どの科に進んでも通用するような「医師としての基礎」がすべて学べる現場だと感じています。

Q. 指導医として、研修医に「これだけは身につけて欲しい」と思うことは何ですか?

指導医O: 医学的な知識はもちろん大切ですが、それ以上に「社会人としての一般常識やマナー」を身につけてほしいと考えています。医学生は早くから医学の世界に没頭するため、社会人としての経験や知識を得る機会が限られがちです。 例えば、今の時代は携帯電話が主流ですが、病院内では依然として固定電話が重要なツールです。外線の掛け方や市外局番の仕組みなど、一見小さなことに思えるかもしれませんが、こうした社会的な常識を知らないと、患者さんのご家族との連絡など、実際の社会人生活でつまずく原因になります。医学以外の部分でも「信頼される社会人」であってほしいと願っています。

Q. 研修医を指導する上で、特に工夫されていることはありますか?

指導医O: 初期研修医は、最初は「何をどうすればいいか分からない」という状況に多々直面します。その際、私はただ直接的に指示を出すのではなく、まず研修医が今どう考えているのか、どういう思考プロセスを辿っているのかを引き出すような質問をするよう心がけています。 本人の考えを聞いた上で、そこにアドバイスやコメントを付け加える。そうすることで、自分で考える力が養われ、診療の考え方や検査の道筋がスムーズになっていくと思います。

Q. 指導医から見て、研修医の成長を感じるのはどんな時ですか?

指導医O: 救急外来での診療の組み立てや、検査の道筋がスムーズになっていくのを見た時です。年度末に向けて、迷いなく的確な判断ができるようになっていく姿には、確かな成長を感じます。また、指導の際はあえて直接的な指示を出すのではなく、本人がどう考えているかを引き出す質問を投げかけるよう工夫しています。

Q. 学生時代に想像していた研修医生活と、実際の生活を比べてみていかがですか?

研修医Y イメージ通りの研修生活ができていると感じています。ただ、学生時代と決定的に違うのは、やはり「責任感」ですね。自分の判断一つひとつに責任が伴うので、意識していないところでも、生活の中で何かしらストレスはかかっているのだと思います。でも、それは決して悪いものではなく、医師として成長するための「いい刺激」になっています。

研修医M: 私は良い意味でのギャップがありました。想像していたよりも「意外と忙しすぎない」といいますか、仕事とプライベートのバランスがほどよく取れていると感じています。

指導医O: それは間違いなく「働き方改革」の恩恵ですね(笑)。

研修医M: 本当にその通りですね、ありがたいです(笑)。しっかりと自分の時間が取れるので、医学書を開いて勉強するのはもちろん、同期と症例について「あの時はどうすべきだったか」と議論したり、自分の考えを共有したりする余裕があります。

Q. プライベートや、同期との関係性について教えてください。

研修医Y: プライベートはかなり充実しています。当院の研修医は本当に仲が良くて、毎月のようにみんなで集まったり、時には旅行に出かけたりもしています。この「雰囲気の良さ」は、墨東病院の自慢できるところですね。

研修医M: 同期同士で仲が良いので、切磋琢磨し合える環境があります。自分の時間も大切にしつつ、仕事にも全力で取り組む。そんなメリハリのある生活ができている実感があります。

指導医O: 昔の研修医に比べれば、今の先生方は時間管理が上手ですし、組織としてもそれをバックアップしています。しっかり休み、しっかり学び、同期と刺激し合う。その心の余裕が、結果として患者さんへのより良い診療に繋がっていくのだと思います。

Q. 色々な診療科を回っていると思いますが、研修医になって大変だったことや、ギャップはありましたか?

研修医Y 特に4月のローテーション開始直後は、何をしていいか分からず大変でした。自分が下した決断が患者さんの診療を早めることもあれば、遅らせることもあるという「責任感」は、学生時代にはなかった大きな刺激になっています。

研修医M: 2ヶ月ごとに診療科が変わる際、その都度看護師さんとの人間関係を築いたり、独特の「ローカルルール」や掲示板の書き方を解読したりすることに最初は時間がかかりました 。

指導医O: 私の経験でも、4月・5月は処方するなど初歩的な選択や、指示出しの書き方を一つひとつ調べるのが一番大変でしたね。

Q. 患者さんを診る上で大切にしていることを教えてください

研修医Y: 最近特に意識しているのは「どんな患者さんにも敬語を使う」ことです。以前は距離を縮めることも大事だと思っていましたが、あえて敬語を使うことで、相手へのリスペクトがしっかり伝わり、深い信頼関係に繋がると考えています。

研修医M: 「患者さんが最終的に何を解決すれば満足されるのか」という、ニーズの本質を汲み取ることです。私たちの治療方針と患者さんの想いがズレないよう、日頃からの信頼関係作りを大切にしています。

Q. 墨東病院に興味のある学生さんへ一言お願いします

研修医Y 「忙しくてハードルが高いのでは」と不安に思うかもしれませんが、それ以上に仕事の効率化や要領が身につく環境です。少し忙しい病院で揉まれることで、確実に実力がつきます。

研修医M 幅広く学べる、非常に恵まれた環境です。やる気のある方はぜひ検討してみてください。

指導医O: 働き方改革により、診療で経験できる範囲が限られてくるからこそ、勤務時間外にどう自学自習するかが今後の成長を左右します 。医学知識だけでなく、電話の掛け方といった社会人としての一般常識も含め、バランスよく学んでいってほしいですね。

特別対談:研修医からの逆質問!

研修医Y: 正直なところ、僕らが一人で診療している時、先生方はどう思っていますか?

指導医O: 心の中では「経験だから頑張れよ」と応援しています。基本的な問診や検査、点滴などの処置であれば、それは医者の基礎として安全な範囲でどんどん経験すべきことです。ただ、診断の決め手や「帰宅させるか否か」という判断が変な方向に行かないかは、しっかり見守っていますよ。

研修医M: 救急車の受け入れ采配についても気になります。現場がアップアップな時は制限し、余裕があると取るように見えますが、全体をどう見ておられるのですか?

指導医O: 「患者満足度」を重視しています。数時間お待たせすることは患者さんの不利益になりますから、全体の状況を見ながら判断しています。また、開業医やかかりつけ医の先生方からご紹介いただいた患者さんは、地域の基幹病院としての責務から、できるだけ受け入れるようにしています。