医療安全の推進には、個々の医療従事者の努力だけでなく、組織全体での連携と協働が不可欠です。
その鍵となるのがチーム医療であり、米国国防総省と医療研究品質局が開発したTeamSTEPPS(Team Strategies and Tools to Enhance Performance and Patient Safety)は、医療安全を高めるための効果的なプログラムとして注目されています。
今年度当院では、「チームステップス(TeamSTEPPS)元年!」を掲げており、国立保健医療科学院から種田憲一郎先生をお招きし、チームステップス研修を行っています。
これまでに2回行い、計67名が受講を終え、医療安全の推進に院を挙げて取り組んでおります。
研修は、様々なチームステップス技法を活用したグループワークが中心となり、意見交換・討議・共同作業をしながらの体験を通した非常に楽しく学べる内容になっています。
TeamSTEPPSは「チーム体制」「コミュニケーション」「リーダーシップ」「状況認識」「相互支援」」の5つを柱とし、具体的なツールや技法を通じて現場に定着させることを目指します。
例えば、SBARは患者情報を簡潔かつ正確に伝える枠組みであり、チェックバックは指示内容を復唱して誤解を防ぐ手法です。
このような手法を医療現場で意図的に活用していくことで、情報伝達の質が向上し、ヒューマンエラーによる事故を未然に防止する効果が期待されます。
さらに、多職種が共通の言語と手法を持つことで、組織全体に安全文化が醸成され、患者中心の安全な医療が実現されます。
すなわち、医療安全の実現にはTeamSTEPPSによるチーム基盤の強化が不可欠といえます。
参加者アンケートでは、
- 「共通の言語を持つことで発言しやすくなる」
- 「今まで漠然と感じていた不安を具体的に表現できる手法を得られた」
といった肯定的意見が多く寄せられました。
次回の研修は11月19日、12月17日を予定しています。
全職種を対象とした、多職種での非常に学びの多い研修となっております。
今後も継続的な教育を通じて、質の高いチーム医療の実現に努めてまいります。
※↑この演習は、チーム体制を視覚的に表す演習です。患者さんに関わる職種が付箋に書いてあり、紐が関係を表しています。